家庭教師ヒットマンＲＥＢＯＲＮ！の本誌アニメラジオ
の感想と、雑記と。
山本と雲雀の妄想文があります。同人ＢＬ要素含みますので苦手な方は、Ｕターンでお願いします。
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傷バン３。
リベンジ。
リベンジ。
傷口にバンソーコー ３
『リボーンに相談してみるよ。アイツなら何か知ってるかも』
『そうっすね。自分もそう思います』
『山本は？今日家に来れる？』
『ああ。丁度、部活も休みだしな』
そういう話になったのは、あの後。取り敢えず他言無用と念を押され、教室へと戻る廊下
でだ。なのに、そういう時に限って邪魔が入ったりするんだよな。
＊＊＊＊
「なんで俺、今日日直なんだ？」
日頃の行いだろう、と獄寺に厭味を言われそうな事をぼやきながら、俺はツナの家への道
のりを走っている。云いつけられた社会科準備室の整理は、急いだものの１時間は要した。
ツナは手伝うと云ってくれたけど、情報ってのは早さが大事なものだから、小僧に伝わるの
は早い方が良いと思って遠慮した。獄寺は、ツナがやらねぇんだから、やらねぇ。そういう、良
く云えば潔さみたいなものは、ちょっと羨ましい。
俺の居なかった時間で解決にむかってりゃいいけどな、と切実に思う。いっそ、見つかって
くれればなぁ、と。調子の良い事ばかりを考えていた。
「ちょっと、キミ」
「……へ？俺？」
声を掛けられて、少し行き過ぎてから気づいた。振り返ると男の人が少し離れた場所にいる。
こっちを見ているし、やっぱり、俺か。そう思って引き返す。本当は早くツナの家に行きたかった
けど、その辺親父に厳しく躾けられているもので、それには逆らえない。
「なんすか？」
近づくと、その人の背が俺よりも結構高い事に気づく。来てるものは普通だ。シャツにジーン
ズなのに黒で統一されているせいか、なんていうか雰囲気がある。男の人に綺麗なんておか
しいけど、それがしっくりくる。
「急いでるみたいなのに、悪いね」
声は低くて、よく通った。耳障りの良い声だと思う。
「いえ。どうってことねぇです。それよ、り……？」
何の用かを問うつもりが、思わず固まってしまった。傍から見たら間抜けだし、そんな顔で見
上げられたら、気分が悪いと思う。でも、止められなかった。ポカンとして見上げる俺を見下ろす
目元が僅かに綻んだのは、気のせいか。
「どうかしたのかい？とても、驚いてるように見えるけど」
小首を傾げる。不思議そうなのに、ゆったりと微笑んで。俺は、咄嗟に顔を逸らした。失礼なこ
とかも、と思ったけど、直視できそうにない。動悸が、激しくなっていた。
「何でもねぇです……」
「そう？」
クスリ、と笑われた。すげぇ恥ずかしい。
「そんな事よりっ、何か用があったんじゃ、ないんすかっ」
我ながら情けないほど、動揺していた。声を出すのに必死になるなんて、一生無い気がする。
でもホント駄目だって。反則だ。
「ああ。そういえば、そうだったね」
「……あの、俺行っても良いすか？」
これでも一応急いでいるのだ。それに、この人に付き合ってたら、俺の心臓が持たない。ちらり、
と窺うように視線をやる。それを待っていたかのように、切れ長の目が細くなった。
「駄目」
ニコリではなくニヤリ、と笑う。それが様になってしまうから、いけない。だから、止めて。ホントに。
嫌でも、心拍数が上がるその顔で俺に笑いかけるのは。
「キミには案内役をして貰うから、行っては駄目」
本気ですか。俺は気が遠くなりかけた。いや、でも案内ってことは前を歩いてけばいいんだから、
顔は見なくて済むよな。気を取り直した俺は、行き先を問うてみた。
顔は見てなかったけど、雰囲気で笑ったのが伝わった。
「『竹寿司』……君の家だよ。山本武」
驚いて顔を上げた。その人は、やっぱり愉しげに笑っていた。
（忘れたいと思うひと。見た事もない顔で笑うヒト。その顔は、似過ぎていて）
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